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itsuki85

で、こくこくと頷きつつ

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で、こくこくと頷きつつ

で、こくこくと頷きつつ、それを受け取る。

 

「おっと、この道具はいただいておくぞ。このあと、おぬしらにかわってわれらが村の衆にふるまうゆえ」

 

 俊冬の言葉に、EGFR肺癌 間者たちはうなずくしかない。どっちにしても、あの腕前では、飴売りをつづけてもしょーがないだろう。だいいち、双子のいる半径100キロ以内に、とどまることすらできないであろうから。

 

 

「たま。腕は兎も角、長州勢は気前がいい。材料は、たんと準備しております」

 

 逃げ去る間者たちの背をみ送っていると、俊春が道具をあらためてから告げる。

 

「鉄、銀。村の衆に、飴を馳走するとふれまわってくれ。無論、にもな」

「はい、たま先生」

 

 二人の返事が、ツボに入ってしまう。

 

 ぞくぞくと集まってくる人々。双子は、一人一人のリクエストにこたえ、つぎからつぎへと飴細工をこさえてゆく。

 

 相棒にもつくってくれた。なんと、できあがったら相棒だった。

 

 それを、相棒の眼前にかかげてみせる。

 

 相棒は、鼻をひくひくさせつつ、頸を右に左に倒す。

 

「すっごく似てるよな、相棒。舐めても大丈夫なよう、ちいさめにつくってくれてる。なめるか?」

 

 ふんっと、いつものようにツンツンだが、気にいっているのはわかる。が喰いついている。

 

「すぐにはもったいない?そっか。じゃぁ、もうしばらくしてからな」

 

 そういいおいてから、懐紙にくるんでおく。

 

 ちいさいが、がっしりしているので折れたり割れたりってことはないはず。軍服の胸ポケットにいれておくことにする。「おお、よかった。まだやってくれていたか?」

 

 気がつけば、すっかり暗くなっている。他出していた局長や副長、島田や野村がやってきた。そのてきはじめて、だいぶんとが経っていることに気がついた。

 

 それほど、双子の飴細工づくりに夢中になっていたというわけだ。

 

 ニコニコ顔の局長のはずんだ声に、こちらまで笑みを浮かべてしまう。

 

 みると、局長や副長だけではない。金子もいる。隊士のほとんどがここにいるので、金子が連れてきてくれたのだろう。

 

「すばらしい」

 

 局長は、市村と田村に金魚と雉をみせられ、子どものようにを輝かせている。

 

「お好きなものを、おつくりします」

「ならば、関羽はどうかな?」

 

 俊春に提案され、すぐにリクエストする局長。

 

 大好きな「三国志演義」の関羽をリクエストするあたり、さすが局長といったところか。

 それにしても、現代でこそ、漫画やアニメでその容貌をイメージできるが、この時代、草双紙などからどれだけイメージできるのだろう。

 

「承知いたしました」

 

 そして、にっこり笑って快諾する俊春。すぐに、つくりはじめる。

 

 その間に、俊冬が副長をさりげなくはなれたところへ連れてゆき、さきほどの間者の件を報告する。

 

 こちらからみていても、副長のが、驚愕から苦笑へ、最終的には満足気なものへと変化してゆくのがわかる。

 

 副長は、双子の対応に信を置いている。まぁ、「でこちんの助」と「でこぴん野郎」のくだりは別にして、生かしてかえしたというところは、それが妥当だと判断しているにちがいない。

 

 しかも、手土産までもたせて・・・。

 

 宝玉っぽいものを護る狼と龍の飴細工をみ、東征大総督府の補佐として下向している大村は、どう考え、どうかんじるであろう。

「副長は、なにがよろしいでしょうか。失礼いたしました。内藤副隊長、でしたな」

「ああ?内藤?自身でも忘れちまってるし、いまではすっかり副長に戻っちまってる。かまわねぇよ、副長で」

 

 こちらへ戻ってきつつ、俊冬の言葉に副長が苦笑している。

 

 そうだった。おれも、副長って呼んでしまっている。副長は、副長だ。内藤副隊長ってガラじゃない。

 

「そうだな。やはり、おれであろう?」

「承知いたしました。ならば、わたしが」

 

 さすがは、ナルシスト。自分自身をモデルに飴細工をつくってくれ、なんて、フツーこっぱずかしくていえたもんじゃない。

 

 副長なら、なにか商売をはじめたりマンションでもおっ建てたら、なんの迷いも抵抗もなく「土方歳三」と屋号やマンション名をつけるにちがいない。

 

「おおっ!これはすごい。これぞ関羽。いまにも動きだしそうだ」

 

 うしろで、局長の歓喜の叫びと人々のどよめきがおこった。

 局長だけではない。隊士や子どもたち、村人や金子も、飴細工の

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