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突貫作業で順次城の南側に馬車を送り出していく、俺も南の平野に姿をくらませた。現場では命令だからということで、倉庫番が阻止しようとしても荊州軍がさっさと物資を引き上げてしまう。太守への訴状も上がっているだろうが、先ほど荊州軍の指揮権は俺にあると明言してきただけに強硬手段はとれずにいるらしい。
根こそぎ持って行こうとしているわけでない、そういう報告も上がっているので見守ることに下らしいな。こう考えよう、泰太守のお陰で棘陽の防衛を任せることが出来たと。こちらは新野と朝陽に兵を集中させて、西部から進出するとしようか。
三日後に新野に到着してことの次第を聞いた張遼は、笑って頷いた。功績の横取りのようなことを潔しと思わなかったのはこいつも同じらしい。
「しかし島殿、https://www.easycorp.com.hk/en/accounting こうなると県令らは太守の命令に従うことになるでしょう。いずれここもあちらの指示に従うことになるのでは?」「まあな、宛にいる首領をさっさと切り伏せて退散するのが良いだろう。涅陽まで軍を進めて、一気に後方地を得るとしよう。郡の把握をするのに一か月はかかるはずだ、その間にやるべきことをやってしまえばいい」
「確かに。典偉の奴はずっと朝陽で訓練尽くしだ、そろそろ働いて貰わんとだな」
その訓練兵を寄越せと言うのはさっきのと同じになる。それらを指揮して戦えというのが筋だ、典偉を指揮すればその兵を手にするのと同じだな。
「涅陽は宛から伸びる八道の南西の要、これを押さえてしまえば南陽の南西部はこちらの影響下でしょう」
地理的な部分から文聘がそのような評価を下す。西部、北西部の山の中はどうしても情報も遅れがちで人口も少ない、十二県はこちらに靡くのは目に見えているぞ。太守が着任したのも知らんだろうしな。
「どうする、直ぐに軍を進めるなら俺が先鋒になるが」
ふむ、もう待ちの戦略が良いとは限らなくなったからな。こちらの遊軍が一万、あちらも一万から二万ならば充分戦いになる。七割も戦機が見えていて動かないのは怠慢だ。
「よし、張遼は応佐司馬を連れて、兵三千で先陣を切るんだ。可能ならば涅陽を占拠、敵が強固ならば宛との連絡を切断するんだ」
「承る!」
破顔して先陣を拝命すると、王佐司馬と共に広場へと向かって行った。さて、本陣としては物資の供給を基本として決戦兵力を戦場に送り込まなきゃならんぞ。
「文聘は張遼への補給を行う手筈を。典偉をこちらに呼び戻して、俺も本隊として三日後に五千で進軍する。万が一、棘陽に危険が迫れば無視も出来ん、その時はお前が救援に向かえるように準備だけしておくんだ」「畏まりました。島別部殿は妙に手練を感じさせますが、不思議なものです。齢五十の将軍かのような何かを」
勘が鋭いな、齢七十相当のじじいの精神を持っているのが俺なんだよ。山からは賊は湧いて出ないが、これはおそらく中原から押し寄せてくるパターンだ。そうなる前に首領を倒さんとな。それと徐刺史にも使いを送るべきだ、どうせ左右の幕僚がまた讒言をするだろうから。
まったくこれでは敵と味方、どちらと戦っているかわからんぞ!
「実は新野には各地に散っていた弩を集めてあります。三百あるのですが、張遼にはどのくらい配備しましょう?」
ほう、そいつはバラして配備するよりも効果が上がる。出し惜しみをしたって良いことはない。
「全部持たせてやれ、俺よりも上手く使うだろうさ」
「意外でした、手元に残すかと思っていたので」
「それは何故だ?」
リアルに理由を知りたいところだぞ。若者は何を思う。
「戦は兵力だけではなく、その質、時機、場所など様々な要素で変質します。弩を装備している軍を持っていれば、不利な状況を覆せるかもしれません。言ってしまえば死地を脱出する可能性が産まれることも。それゆえに、別部殿が手元に残ると考えておりました。無礼を承知の言です、何なりと処罰を」
「はっはっはっはっは! 言葉というのは耳に逆らう方がよっぽど為になるものだ。文聘が考えた事、確かにその通り。罰する必要など微塵もない」
萎縮させて得られるものなんて俺の自己満足だけだぞ。
「ではこちらからも。何故でしょうか?」