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itsuki85

どうにせよ

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どうにせよ

どうにせよ、この会議の顛末は急いで連絡しておく必要はあるねえ、とコデコトマル平原を抜け出し、ハンベエにクーちゃん通信を送るべく秘密の通信基地に向かった。 この日の貴族達の会議にも話が出た事であったが、ハンベエに見逃され一人逃げ帰った十二神将の一人チャードはぶっ通しで駆けた為か血を吐くほどの半死半生になりながらも、前日の朝方、即ちノーバー達が軍監察員の死体を発見して大騒ぎをしていた頃には、ドウマガ原の太子達の下に逃げ帰っていた。要するに、ハンベエがモーセンビキ村に帰還したと同時にチャードも又ナーザレフにコデコトマル平原近くで起こった事の報告に帰り着いていたのである。ノーバー達貴族軍の動きは如何にも緩慢であった。軍監察員全滅の顛末を聞いたナーザレフは太子ゴルゾーラにすぐに知らせ、ゴルゾーラは師団長を呼んで会議を開いた。international school application ボーンも又末席に呼ばれたのであった。会議が始まる前に事情を聞いたクービルから陣中で休息を取っていたチャード(五十キロ以上を必死で駈け戻った為に相当衰弱していた様子だったが)は厳しい叱責を受けた。「如何にハンベエの首が欲しいからと言って、軍監察員全部を投入したのは大失態だ。せめて五人、最低でも三人は貴族軍に残しておくべきだった。」貴族軍の監視に空白が出来てしまったではないかというお叱りである。軍監察に一個中隊を送り込んでいた太子の軍は、その他には貴族軍に間者のような者は送り込んでいなかった。 失態を詫びながら、チャードはハンベエが何故か自分一人は命を取らず、クービルに『宜しく伝えてくれ』と言われた事を話した。「ハンベエが・・・・・・。」 と怪訝な顔にクービルはなった。立ち合った時のハンベエの不適な顔が浮かぶ。「そうか。ハンベエの胸の内は良くは分からないが、チャード。叱りはしたが、良く生きて戻った。折角拾った命だ。失態の責任を取るために自殺しようなどとは決して思うなよ。他日を期して腕を磨いておけ。命を捨てるなら、ハンベエ達との戦でこそやれ。犬死には許さんぞ。」と付け加えた。その後、ゴルゾーラ、ナーザレフ、七師団長が集まり、チャードの報告を受けての会議が始まった。遊撃軍として加わっているボーンも又呼び出されて出席する事となった。 ボーンは既にマッコレによるノーバー襲撃事件がナーザレフの指示によるものであり、ゴルゾーラの意思であった事を知っていた。サイレント・キッチンが同事件を多方面から分析してそう断定し、『声』を経てその分析結果を受け取っていたのである。ただし、イザベラがその背後で暗躍していた事までは掴めていなかった。ボーンが抜けた為かサイレント・キッチンの情報収集力に翳りが出ているかのようである。又、ゴルゾーラやナーザレフの身辺にまではその諜報網も及んでいないようで、ノーバー襲撃の動悸や背景にまでは手が届かないでいたボーンはその知り得た事については太子軍内ではおくびにも出さず、ゴルゾーラの周辺にいる人物達を警戒しながら、事態の推移を見守っていた。「・・・・・・という次第で、昨夜コデコトマル平原付近で軍監察員は敵将ハンベエにより全滅させられ、チャードが一人戻って来て、今朝報告を受けたところです。貴族軍代表ノーバー卿はチャードの支援要請を表面上は承知しておいて、現実には軍を動かさなかった。最早貴族軍の叛意は明白です。今後の方針を話し合いたい。」

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